マンション投資に適した地域とは?

マンション投資において、どの地域/エリアの物件を選ぶかということは非常に重要です。

賃貸ニーズを決定付けるのは立地だけではありませんが、例えば、過疎化が進んでいる地域は投資には向きません。

マンション投資に適した地域

その「過疎化が進んでいる(人口が流出してしまっている)」というのも、街の様子を見るだけではわからないことなのです。
では、具体的にはどんな地域がマンション投資に向き、その証拠となるポイントをどこから探し出せばいいのか、詳しくご説明します。

 

マンション投資に適した地域の特徴とは

マンション投資に適した地域とはつまり、「賃貸ニーズ」(=物件を借りたいという需要)があり、さらに言えば、そのニーズの度合いが高い地域のことです。次のような地域は賃貸ニーズが高いと考えられます。

◆賃貸ニーズが高い・高まる可能性のある地域
・ネームバリューがある、話題性がある
・交通の便が良い(駅に近い、幹線道路がある)
・治安が良い
・買い物、通学・通勤に便利
・今後発展する見込みがある

「今後発展する見込みがある地域」とは、街の一部で区画整備などがあったり、新しい駅が誕生したりなど、人の動きがある可能性が高い地域です。
地域の大きな動きについては、ニュースをチェックする、市町村のホームページを確認するなどして、頭に入れておくようにしましょう。

また、そういった大きな動きがなくとも、地味に人気が出てくる地域があります。
ニュースなどにはならないのですが、人口の動きを数字で見ると、ある程度確認することができます。

◆予測を知るのに便利なサイト
国立社会保障・人口問題研究所
http://www.ipss.go.jp/syoushika/tohkei/Mainmenu.asp
最新の将来推計人口・世帯数の結果

◆予測ではなく、実際の調査結果から、ある程度傾向を予測することも可能
例:東京都の場合

①まず、東京都の中で人口が増えている地域を知る
東京都管理の「東京都の統計」
http://www.toukei.metro.tokyo.jp/jsuikei/js-index.htm

詳細なPDFの資料(毎月の表の中にある「統計表」です)をダウンロードすると、前の月に比較して人口が増えたのか、減ったのか、ということまでわかります。
たとえば、「千代田区は1月から12月まで1度も人口が減っていない」ということなども数字で理解できます。

②今度はその「千代田区」のホームページで、人口についてのデータを公開しているページに移動します。
https://www.city.chiyoda.lg.jp/koho/kuse/toke/index.html

③町丁別世帯数および人口(住民基本台帳)などを確認します。
https://www.city.chiyoda.lg.jp/koho/kuse/toke/cho-setai/index.html

インターネットを探すとさまざまな統計をうまくまとめてくれているサイトもあります。
ただし、なかなかリアルタイムで市町村レベルの人口推移をまとめているサイトはありません。
ご自身で細々とチェックするのが一番確実です。

都心と地方はどちらがいいのか=リスクで選ぶ
「都心と地方はどちらがいいか」については、一概に言うことはできません。それぞれの特徴をまとめました。

【都心】
・空室リスクや賃料下落リスクが低い
・物件価格は都心が有利と考えられる(東京都内の場合、5~10年後も物件価格が変わらないことも。
場合によっては購入価格より高くなる可能性もある)
・利回りは低くなる

【地方】
・空室リスクや賃料下落リスクが高い
・都心に比べると物件の価格は不利な面が多い
・利回りは高い。

都心と地方で、まったく逆の側面を持っていると言えます。
「大きなチャンスがある」という意味では地方です。
「地元の人しか知らない」といった情報が必要になる可能性があります。

人が住みたいと思う条件が都心と地方では異なるということを理解しておきましょう。
複数の物件に投資できる人は、都心と地方両方の地域をカバーしている場合が多いようです。

 

投資にはどんな地域が人気?

まずは具体的にどの地域が人気なのかを見てみましょう。

【都心】
・東京都
東京は、不動産投資集中度世界ランキング30位の地域です。
http://www.joneslanglasalle.co.jp/japan/ja-jp/news/313/investment-intensity-index-2017

投資物件が飽和状態にある、大きな動きがない、というところで大チャンスは掴みにくいかもしれませんが、一定の動きは常にあるため、リスクは低めです。
ただし、資産価値は上がっているので、胃客による利益(キャピタルゲイン)を見込むことができます。
借主はある程度収入のある人々であり、ハイスペックな物件が求められます。

・神奈川県
東京に隣接しており、人口も多く、東京へアクセスしやすいところから、賃貸ニーズの高い地域と言えます。以前から変わらない人気があるのは知名度の高い横浜ですが、ファミリー層には川崎の「生活のしやすさ」も評価されています。

【地方】
・愛知県
2027年、品川~名古屋間にリニア中央新幹線が開通するため、それに併せた再開発が始まりました。
そのため、既に地価の上昇がスタートしています。

・大阪府
大阪駅北側の梅田北エリアにでは、急速な再開発が進んでいます。新しい駅の開業も見込まれており、
「大阪府の新たなる拠点」としての機能を備え、キャピタルゲインも期待できそうです。

・福岡県
福岡県は、不動産投資集中度世界ランキングのセクター別(物流施設)のランキングで8位の地域です。
http://www.sankei.com/economy/news/170406/prl1704060196-n1.html
福岡市、北九州市は政令指定都市であり、人口増加に伴う賃貸ニーズの高まりがあります。
細かな地域で見た場合には人口が減っている場所もあり、注意が必要です。

 

結局のところ「投資向きの地域」とは?どう分析すべき?

ご紹介した人気の地域も、「その地域内であればどこでもよい」というわけではありません。
結局は、物件のある地域に関する詳細な分析と、その時々の情報を組み入れ冷静に判断する必要が出てきます。
ぜひ、次のような点に注意してみてください。

◆「住みたい場所」と「投資に向く場所」は違う
インターネットや雑誌では、一般の人々から調査した「住みたい場所ランキング」などを見ることができます。
これらも投資を行う上で役立つ資料にはなりますが、「住みたい場所として人気がある地域=投資に向いた地域」ではないことも多いため、注意が必要です。

なぜなら、人気のエリアはどうしても物件価格が高くなることが多いのですが、家賃収入は他のエリアとそこまで大きく変わらないためです。
投資家からすれば家賃1000円の違いは大きくないように感じられるかもしれませんが、住む側からすれば大きなものですので、このあたりの価値観の違いもある程度頭に入れておきましょう。

例えば、住みたい場所ランキング第一位の「吉祥寺」で考えてみましょう。

不動産・住宅サイト SUUMO(スーモ) 関東住みたい街ランキング
https://suumo.jp/edit/sumi_machi/2017/kanto/
ご覧の通り、第一位は吉祥寺となっています。

ところが、投資として人気がある街10位以内に、吉祥寺は含まれていません。

ALPLACE
人気の高い駅ランキング、1位は「吉祥寺」でなく
http://alplace.co.jp/blog/2016/01/20/802

住みたい街は、イメージ先行です。

「お洒落な感じがする」というだけでも票が集まります。

実際自分が住むとしたらどうなのか、というところまでは考えないため、投資の実情とは繋がりにくいのです。
もし参考にする場合も、「誰に人気があるのか?」と、ターゲット層を考えるとより有効な情報になります。

◆人口だけでなく「世帯数」を見る

本記事では人口の増減を参考にするようお伝えしましたが、もうひとつ重要な見方として「世帯数で考える」ということがあります。
引っ越し単位は世帯ですから、注意しましょう。

年度の最初と最後に動く人口は、世帯の引っ越しではないかもしれません(子供が一人暮らしを始めるなど)。

地域の魅力と「プラス物件の魅力」で総合的に考える
以上、投資に向いた地域とはどんな場所であるかについてご説明しました。
公的な数字も参考にしながら、人々がどんな地域に注目しているかを敏感に察知するようにしましょう。

また、地域で選ぶことを重視しつつも、「人はエリアだけで住む場所を決めるわけではない」ということをよく理解しておく必要があります。駅からの距離が同じでも、選ばれる物件は異なります。

賃貸ニーズはエリアの魅力プラス物件の魅力。
バランスを意識して物件選びを進めましょう。