不動産投資において肝とも言える「投資用物件」の選び方。
どこを探しても完全無欠の物件は存在しません。
それぞれの要因を分析し、「ほどほどバランスが取れている」というものを見つけ出すのが継続的に利益を得られる物件です。
この記事では、立地、利回り、物件価格、ターゲット、築年数の5つの要素についてご説明します。
失敗しない投資物件の選び方【立地】…動きのある土地を選ぶ
例えば、「今後、なんの発展も見込めない過疎地域の物件が投資に向かない」ということはすぐに理解できると思います。
その土地がどう動いているのか、今後どう動くのか、情報を集めて認識しておくことが重要です。
動きのある土地、人々や物の稼働が多い土地を選ぶようにしましょう。
そこには必ず「賃貸ニーズ」があります。
【動きのある土地とは】
・ネームバリューがありメディアなどでも取り上げられる
・交通の便が良い
・治安が良い
・買い物、通学・通勤に便利(あるいはそれらが近い)、今後これらに関連する新しい動きが予定されている
・値上がりする見込みがある(人口が増えている、新しい駅が設立される・区画整備などの予定がある)
まずは「その地域についての情報を集める」というのが重要になります。
一般的なニュースだけではなく、市町村単位のニュース(行政が運営するホームページなどが参考になります)なども参考にしましょう。
人口の動きも非常に参考になります。
人口流動の調べ方については『マンション投資に適した地域とは』をご参照ください。
なお、「都心か地方か」という問題もあります。
【都心】
・空室リスク、賃料下落リスクが低い
・購入価格が高いが、販売価格も高いことが多い
・利回りは低くなる
【地方】
・空室リスク、賃料下落リスクが高い
・購入価格は低いが、販売価格も低い、売れにくい危険性も
・利回りは高くなる
都心と地方ではメリットとデメリットが逆転する傾向にあり、一概にどちらがよいということは言えません。
都心と地方両方に物件を保有するなどして、リスクヘッジするという方法もあります。
失敗しない投資物件の選び方【利回り】…実質利回りを確認する
利回りには、経費などを考慮しない「表面利回り」と、経費まで計算に入れた「実質利回り」があります。
詳しくは『利回りとは』をご参照ください。
利回りは投資による利益の計算のためには欠かせない数字ですが、鵜呑みにしてしまうのは危険です。
【利回りについてのポイント】
①「実質利回り」を参考に
物件を選ぶ時に知りたいのは、経費までを含めて計算した「実質利回り」です。
表面利回りは経費を考慮していないため、そのまま参考にするのは危険です。
不動産会社で公開しているのは表面利回りであることが多いのですが、実質利回りを隠しているわけではなく、「計算できない」「予測できない」ためです。
そのため、発生しうる経費についてはご自身でさまざまな想定をする必要があります。
②「実質利回り」がわかっても、計算通りにはいかない
もし実質利回りが判明したり算出できたりしても、その通りにはなりません。
どういった経費がかかるかは、物件の状態によって異なります。
築年数によっても異なるため、いままで発生しなかった修繕費も将来的には発生する可能性があります。
物件の特徴を購入前にしっかり捉えておく必要があると考えましょう。
③新築は利回りが低い、中古は利回りが高い、という傾向になる
新築は購入価格が高い分、利回りが低くなります。
中古物件に関してはその逆となります。
利回りだけで言えば中古のほうが有利な数字となりますが、新築と中古で考慮する部分は変わるので、利回りだけで比較するのは危険です。
失敗しない投資物件の選び方【物件価格】…値段相応の物件であるか
よい物件、新しい物件は価格が高くなります。
まずは自分自身のキャッシュフローを圧迫しない価格であることが第一です。
そのためには、さまざまな条件におけるシミュレーションを繰り返して行う必要があります。
物件を購入する際は、まず「相場」からかけ離れた価格ではないかということを確認しましょう。
価格が高ければいいというわけではありません。
「高いだけの価値がある=賃貸ニーズがある」とは限らないからです。
「お得物件」ならやはり「安くていい物件」。
これは、ご自身の目で探すしかありません。
失敗しない投資物件の選び方【ターゲット】…ターゲットは絞るべき
入居者のターゲットは明確に決め、それから物件を選ぶようにしましょう。
ターゲットを決めない、もしくは「広く浅く」をターゲットにした物件は入居が決まりにくいという傾向があります。
「誰にとっても決め手に欠ける」ということになるからです。
物件にはファミリー向け、単身者向け、学生向け、女性向けなどがありますが、これに重ねて「ペットを飼う人向け」などもあります。
さらにニッチな部分では「楽器の練習をする人向け(防音設備がある)」などもあるわけです。
ニッチなニーズに応える物件は、ターゲットの母数は小さくなるものの、ある意味では楽器を弾く人を狙い撃ちしており、話が決まりやすくなる可能性も高くなります。
結果としてご自身が設定したターゲット以外の人が入居する場合もあるのですが、それはその人が「ターゲットではないが、物件の決め手を気に入った」ということになります。
賃貸物件を探している人にそういった「決め手」を意識させることを考えて物件を探すということが重要です。
失敗しない投資物件の選び方【築年数】…数字だけに振り回されず
利回りなどを考えると、「新築こそベスト」というわけではありません。
しかし、古すぎて「利益を生みなさないところか損失になる」といった物件だけは避けなければなりません。
【築年数について注意すべきポイント】
・1981年(昭和56年)『新耐震設計法』施行以後の物件を選びましょう。
・上記以外のその他法律についても注意が必要です。
国土交通省ホームページ
住宅の品質確保の促進等に関する法律について
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk4_000016.html
・「古すぎる」ということでなければ、築年数は気にならない場合もあります。
あくまでも数字の情報だけにこだわらず、ご自身の目で確認するようにしましょう。
ただし、建材などの劣化について個人で判断するのは難しいものです。
それまでの修繕歴なども確認し、「手が掛かる物件ではないかどうか」判断するようにしましょう。
情報不足の中で購入する物件を決めないように注意すべき
投資物件の選び方を立地、利回り、物件価格、ターゲット、築年数の5つの要素からご説明しました。
すべてが100点満点という投資用物件は、ほとんどありません。
なにを優先するかは状況によって違うが、バランスと細かなチェックが必要です。
難しいようですが、物件や物件のある地域に関する情報が多ければ多いほど、適切な判断が可能になります。
不明な部分は明確にし、情報を揃えてからシミュレーションをするようにしましょう。